宇宙論の経過とその概要。 NO.5

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写真は、宇宙マイクロ波背景放射の温度揺らぎ

約100年前までは、宇宙は永遠の過去から変化せずに固定していると考えられていました。有名なアルバート・アインシュタインもそう考えて宇宙の構造を示す方程式に、反発力を意味する宇宙項の定数ラムダ ( Λ ) を加えていました。その後に天体観測の結果、宇宙膨張している事を知り方程式から宇宙項を自ら撤回しました。しかし、宇宙が加速膨張している事が最近に成り判明して宇宙項が再び復活しました。少しややこしいですが、科学は観測や実験の結果から常に見直しが行われています。

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相対性理論の方程式

約90年前に天文学者エドウィン・ハッブルが、スペクトル分析の結果からドップラー効果により赤方偏移してどの銀河もお互いに遠ざかっている事を発見しました。つまり宇宙全体が膨張していると言う事です。

約70年前に物理学者ジョージ・ガモフが、宇宙はかつて超高温で高密度だったと提唱し、宇宙全体に水素が沢山有り核融合反応でヘリウムが合成されていたと理論的に説明しました。そして宇宙膨張と合わせて考えると、過去の宇宙は小さくて超高温・高密度から出来た事に成り '' ビッグバン宇宙 ''と呼ばれる様に成りました。

約50年前にウイルソンとペンジアスが、ビックバン直後に出来た ( 膨張により引き伸ばされた ) 波長の長い光がこの宇宙を満たして居るのを発見しました。宇宙マイクロ波背景放射と呼ばれておりマイナス270℃の物体から出る光と同じです。

現在、プランク衛星により宇宙マイクロ波背景放射の全天マップが作られてあり、誕生から38万年後の宇宙の密度の濃淡を表す地図があります。この時期は膨張により温度が下がりプラズマ状態 ( バラバラに成っていた電子や原子核の素粒子 ) から原子が形成されて宇宙が晴れ上がり、光が直進出来る様に成りました。

約30年前に、佐藤勝彦博士がインフレーションと言う光速を超える速度で急膨張した時期が有ったと理論的に提唱しました。これは宇宙膨張のビックバンの前に起こり、色々な問題がこれにより解決出来る事が分かりました。どの方向からも同じ波長の光 ( 電磁波 ) が測定されるので、宇宙の地平線問題や因果関係の無い全方向の銀河の同一性も証明出来ます。

宇宙初期の急膨張 ( インフレーション ) を起こした正体はまだ不明で、インフラトンと言う斥力を持つ真空の空間とも言われており、空間の膨張と同時に増加すると言う不思議な物です。崩壊により膨大なエネルギーや素粒子が発生したと言われており、ダークエネルギーと似た性質があります。

初期宇宙に物質密度の不均一さと銀河団や銀河の大規模構造の生成をもたらしたのも、インフレーションの結果だと言われています。不確定性原理の量子揺らぎに起因します。

現在は第二のインフレーション時期と言われており、初期の時より膨張速度は急激では有りませんが加速度的に膨張しています。その原因はダークエネルギーと言う謎のエネルギー源であると言われている未知なる物です。そしてダークマター ( 暗黒物質 ) と言う謎の物質もあり、まだまだ謎が多いです。

この宇宙は一つだけで無く多重発生と言うビックリする様な理論もあります。親宇宙から子宇宙がたくさん出来て、更には孫宇宙も次々に出来て来たと言う話です。ここまでくると行き過ぎの様に思いますが、真実は小説より奇なりと言う諺もあるので、遠い未来に証明されるかも知れません。

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この記事へのコメント

2014年07月29日 17:32
こんにちは

科学の真実は
どんどん塗り替えられますね
新発見の報告があるたびに
夢が広がります
現実のしがらみから
しばし逃避できる瞬間
宇宙科学や
素粒子の世界は
一服の清涼剤ですね
華の熟年
2014年07月29日 20:20
無門さん コメント有難うございます。

☆☆ 新発見の報告があるたびに夢が広がります。☆☆

おっしゃる様に科学は日進月歩で次々に新しい発見や発明があります。特に宇宙論はロマンがあり、私は若い頃から関心が有りました。
2014年07月29日 22:14
タバコが好きなもので、いっぷくし、気持ちを整えまして読むことに集中。そして華の熟年さんの宇宙論の史的展開記事を読みました。難しいですねー。しかし一方で「とらわれのない心」を言う般若心経の人間論・宇宙論を大変自分も得とくしたい自分もいるのです。物理学上の宇宙論も華の熟年さんの記事を参考にしまして、私も、以前と同じようなコメントですが、勉強をしたいです。一神教ではない、「生かされてる」という多仏神教の日本人の哲学こそ宇宙の真の姿に前向きに進めることができる。。そんな気がします。また期待したいです。
日々進歩したり、バックしたりの学問なんですね。
華の熟年
2014年07月30日 09:37
さとし君さん コメント有難うございます。

☆☆ 般若心経の人間論・宇宙論を大変自分も得とくしたい自分もいるのです。☆☆

おっしゃる様に般若心経には宇宙論や量子論に近い記述が出て来ます。前提と発想が異なりますが、非常に似た考え方をしています。芸術などにおいても道を極めると同じ到達点になるのと同じで、どの分野でも双六で言う上がりは仏教で言う悟りと同じ場所でしょうね。
2014年08月03日 08:40
宇宙論はまだ発展段階の学問なんですね。

現象を見てはそれに合う仮説が出て来て、また、より新しい仮説が出て来て、、、そんな思いで見ると楽しな学問ですね。

多重発生の理論も奇抜ですね。何だか生物の一部を見てるようです。
華の熟年
2014年08月03日 10:05
羅輝さん こんにちは。

宇宙論も含めて科学全般について、それぞれの分野は日々進歩して居ますので、新しい発見や発明の度に書換えが行われます。個人用のコンピュータも30年位前は8ビットで簡単な計算や文字だけの利用でしたが、現在は64ビットで大容量の画像も扱えて高度な計算も個人のパソコンで出来る様に成りましたね。世界中のコンピュータがネットで繋がっており、時代の変遷を感じます。

宇宙論については超ひも理論から導き出した、膜宇宙 ( ブレーンワールド ) と言うのも有ります。私達の住んでいる宇宙は高次元空間に浮かぶ膜の様な物であると言う話です。膜の一つ一つが異なる物理法則の宇宙で、膜宇宙が衝突してビックバンが起こったと言う驚くべき理論です。

日本人は、湯川秀樹博士を初め沢山のノーベル賞学者がこう言ったこの世の成り立ち解明に多大の貢献をしています。
2015年01月24日 00:04
こんばんは。
私は色即是空、空即是色の概念を教えられた時、衝撃を受けました。
形あるものは見えないものでできている。見えないものが形になる。
物質と空間は同じもので相互に作用し、入れ替わったり、生まれたり消えたりする。
全てに生命が宿り、人間も石ころも同じもの。
太陽も月も生きている。
宇宙とはそういうものだと思いました。

なので、宇宙空間にエネルギーが満ち満ちているという理論には頷けるものがあります。
宇宙が誕生する瞬間なんて想像もできませんが、
前記事で宇宙がポコポコ生まれるという考え方は面白いです。

科学は全て物質とエネルギーで話を進めるようですが、思考が物質に影響を与える事例を研究しているという話を聞いたことがあります。

宇宙のエネルギーには生命エネルギーも含まれるはずで、その分野での研究も期待しています。
2015年01月24日 11:06
アルクノさん こんにちは。

当ブログの宇宙論テーマの投稿文を全て読まれ有難うございます。仏教経典の般若心経に書かれてある『 色即是空、空即是色 』は、素粒子の不思議な振舞いと良く似ています。

人間は身体と言う物質で出来ていますが、『 心 』と言う不思議なものにコントロールされていると思っています。おっしゃる様に『 全てに生命が宿り 』のお言葉は仏教の到達した悟りの世界を表しています。

思考や願望は、人間の身体や他の物質に影響を与えると思います。病気の回復も心の持ち方に依存し、良い方向に前向きに考える事が大切でしょうね。

宇宙のエネルギー分布は物理的な数値を並べて比較しています。生命エネルギーについては物理的な数値ではなく、別次元の概念と考えられます。素粒子の観測と実験結果の延長線上に次の様な驚くべき理論があります。人間が眼で見て認識した時にのみ『 月 』が存在すると言う人間原理宇宙論もあります。誰も見ていない時『 月 』は存在しない。

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